米国OOH業界団体Out of Home Advertising Association of America (OAAA)と大手ファイナンシャル・アドバイザリー会社Solomon Partnersが「2023年米国主要メディア広告効果分析」の結果を1月4日に発表しました。
2017年から2022年までの広告想起に関するこの分析では、OOHの広告想起率が、テレビ、ラジオ、ポッドキャスト、印刷物、オンライン広告と比較してトップの広告想起を獲得しています。
なお、メディアミックスにおけるOOHの重要性は、先のOAAAとHarris Pollの調査結果でも示されています。
Solomon Partnersは、12月には「デジタルサイネージ業界のトレンド」というレポートで、“ある調査によると、デジタルOOHの想起率は、テレビやSNSなど他のメディアよりも7~25%高く、デジタルサイネージの影響力を実証している”と発表していましたが、この「2023年米国主要メディア広告効果分析」のことだったみたいです。
デジタルOOHのプログラマティック(運用型サイネージ広告)で、広告主は適切なメッセージを柔軟に広告展開できることは、米国でOOH広告が広告市場全体よりも大きな成長を遂げている理由の一つになっているようです。
米国ではGeopathという測定機関がOOHの視認性を独自のアイ・カメラ(アイ・トラッキング)で調査しており、OOHメディアとの距離、フレーム特性、通行時間に基づいて視認率を導いていることもOOHの広告効果が高くなる理由の一つかもしれません。
日本は、米GeopathのようなOOH広告の測定機関/計測システムが未整備で、OOH広告の到達を他メディアと比較する媒体取引標準価値指標(メディアカレンシー)が構築されていないため、到達の先にある広告効果分析を他メディアと比較することも容易ではありません。
OOHメディア企業である大阪メトロアドエラは、OOH業界関係者と協力しながら、他メディアとも比較可能な視認をベースにした計測基準に寄与できるよう調査研究に取り組んでいきたいと思います。