2025年5月、デジタル広告業界における注目のトピックとして、IAB(Interactive Advertising Bureau) と MRC(Media Rating Council) による「アテンション測定ガイドライン(ドラフト版)」が公開されました。
👉 公開資料:https://www.iab.com/guidelines/attention-measurement/
広告の「アテンション」を測定するための初の業界標準となるガイドライン(ドラフト版)であり、2025年7月12日までパブリックコメントを受け付け、最終版は年内に公開される予定です。
まずは「デジタルメディア」がガイドラインの対象
このガイドラインは、オンライン動画広告やディスプレイ広告、CTV(コネクテッドTV)などのデジタル広告環境を対象にしたもので、スマホやPCでのユーザー行動(視線、スクロール、音声など)を前提にした指標が中心となっており、アテンションを次のように多次元的に定義しています。
次元 |
内容 |
🖥️ Exposure(接触) |
広告が視界や聴覚に入った可能性のある状態 |
🧠 Cognitive Load(認知負荷) |
内容を処理するための脳の負荷 |
❤️ Emotional Response(感情反応) |
広告に対する感情の動き(興味、嫌悪など) |
🤳 User Interaction(行動) |
スクロール、クリック、再生などの能動的な反応 |
手法としては、視線トラッキング、音声・映像信号解析、脳波・心拍計測、アンケート・パネル調査、予測モデルが上がっています。
OOH(屋外・交通広告)は“今後の適用対象”
現時点でOOHは対象外ですが、以下のような注釈があります。
「デジタル以外のメディア環境にもクロスメディアでの整合性が必要」
「OOHなどデバイス信号が取得できないメディアでは、視線トラッキングやサーベイ等が代替手法となる。
特にDOOH(デジタルOOH)やクロスメディア分析では、今後の適用と標準化が期待されています。
OOH向けの直接的な基準ではありませんが、参考にすべき原則も多く、OOHもクロスメディア戦略の一環として、OOHでのアテンション測定をどう整合させるかが今後の課題になると思います。