数年前に3D OOHのインパクトが話題となり、多くのブランドが屋外広告で3Dクリエイティブを採用しています。しかし、最近数ヶ月で、CGIを用いて実際には存在しないがリアルに見える「シュールOOH(フェイクOOH)」の事例が急増しています。
▼最近の事例:
THE NORTH FACEのダウン・ジャケット
PlayStation 5のMarvel's Spider-Man 2
Starbucks
当ブログで以前紹介したように、メイベリンはCGIアーティストによって制作された、ロンドンやニューヨークの公共交通機関を使用した大規模な広告キャンペーンを実施しました。これらは実際のOOHメディアを使用しておらず、メディア費用を節約しながら新しいアイデアを試す有効な方法と見なされています。
シュールOOH(フェイクOOH)は、人々がインパクトのある実際のOOHクリエイティブを写真や動画に収めてSNSで共有するように、CGIと現実世界を融合させたコンテンツでオンライン視聴者を魅了する手法としても考えられています。
メディア費用を抑え、実際の撮影や制作にかかるコストと手間を削減し、迅速かつ効率的にコンテンツを生み出すことができるシュールOOH(フェイクOOH)ですが、消費者に誤解を与えないよう注意が必要です。存在しない広告を本物のように見せかけることは、信頼性を損なうリスクを伴います。ブランドは、広告効果を最大化にしつつ、消費者との信頼関係を保つバランスを見極めることが求められます。
結局のところ、OOH広告が実際にどれだけの人々に見られているのか、そしてどのような効果を生んでいるのかを評価することが重要です。世界各国のOOH業界は、外出中の人々が受動的に接する1対多のOOHで、実際にOOH広告を目にしたと想定される人数を示すために、視認性調整済コンタクト“VAC”を標準指標に採用しています。日本のOOH業界も、場所だけでなくオーディエンスとインプレッションを販売する考え方に基づき、SNSでの話題性だけでなく、現実世界でのOOH広告のアテンションを測定する標準指標の導入が求められています。
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