先日、PR EDGE編集部様に取材いただき、インタビューにお答えした記事が前編・後編として公開されました。
- OOHはどう見られているか…..AI活用で注目度を数値化する意義を訊く
・前編:https://predge.jp/320638
・後編:https://predge.jp/320642
今回の取材では、広告業界全体、そしてOOH(交通・屋外広告)の分野において、いま注目を集めている「アテンション」という考え方についてお話ししました。
今回のブログはPR EDGE様のインタビューを振り返りながら、なぜ「アテンション」が広告業界で重視されるのか、そしてその中でOOHがどのように進化しているのか、お伝えしたいと思います。
■広告業界で「アテンション」が注目される背景
広告業界ではこれまで、
- どれだけ多くの人に広告を届けられたか(リーチ)
- 広告が実際に人々の視界に表示されたかどうか(ビューアビリティ)
といった「到達」や「表示の機会」を中心に指標が語られてきました。
しかし、デジタル広告の急速な進化により、
「視界に入った」だけでは広告の価値を測りきれない
という課題がますます明らかになっています。
こうした課題を解決する鍵として、いま注目されているのが「アテンション(Attention)」です。
アテンションとは、単に広告が表示されたかどうかではなく、
「人がどの程度その広告に意識を向け、どれだけの時間注目したのか」
を測る新しい指標です。
広告主の皆さまにとっては、
「本当に広告が人の心に届いたのか」
を証明することが、投資対効果を説明する上でますます重要になっています。
この流れは、OOHの世界でも例外ではありません。
■OOHにおける「アテンション」の意義
OOH広告は、街や駅など生活空間の中で人々の目に自然に触れるメディアです。
「生活動線上に存在する」という強みこそが、OOHの大きな特長です。
しかし一方で、OOHも「人通りが多い場所に出せば十分」という時代は終わりつつあります。
人が広告のそばを通ったからといって、必ずしも広告を見ているとは限りません。
たとえば、多くの人がスマートフォンを見ながら歩いていたり、急いで移動していたりする光景は珍しくありません。
視界に入るだけでは、広告の効果を語れない時代になっています。
だからこそOOHでも、次のような「アテンション」を捉えることが重要だと考えています。
- 人は本当に広告を見たのか
- 広告のどの部分に注目したのか
- どれだけの時間見続けたのか
OOHが「見られてナンボ」のメディアである以上、
アテンションを可視化することは今後ますます欠かせないテーマです。
■大阪メトロアドエラの取り組み ──OOHの「アテンション視える化」への挑戦
大阪メトロアドエラでは、OOHがより確実に人々に届き、広告主様に価値を実感していただけるメディアであり続けるために、アテンションを測る取り組みを積極的に進めています。
1. サリエンシーマップによるクリエイティブ分析
駅構内や車内を想定した仮想環境上で、ポスターや動画をAI解析にかけ、「視線が集まりやすい部分」をサリエンシーマップで「視える化」しています。
この分析によって、広告主様には「どの部分をより強調すべきか」が一目で分かり、より効果的なクリエイティブ改善につながります。
この分析があることで、広告制作における説得力は大きく変わると感じています。
2. アテンション解析
駅構内や車内の広告媒体とクリエイティブについて、
AIを活用し、次のようなデータを取得する取り組みを進めています。
「15秒や30秒の動画広告で、どの秒数に視線が集まるのか」
「どの瞬間に視線が離れるのか」
こうしたデータを活かすことで、
動画演出のタイミングを科学的に設計し直すことが可能です。
これは、OOHが単なる「表示するだけのメディア」から、
「人の心をつかむコンテンツ」へと進化するための重要なステップだと考えています。
■「アテンション」はOOHの未来を拓く鍵
OOH広告は、街の風景の一部として自然に人々の目に触れながらも、
その一瞬で心をつかむ力を秘めているメディアだと私は信じています。
しかし、その力を本当に証明するためには、
単なる視認率やビューアビリティを超えた、
「どれだけ注目を集めたか=アテンション」
を測ることが不可欠です。
PR EDGE様のインタビューを通じて改めて感じたのは、
アテンションはOOHの可能性をさらに広げる大きな鍵であり、
広告主様や代理店様にとっても、これからの意思決定に欠かせない指標だということです。
大阪メトロアドエラは、OOH広告がより「人々に届き、心を動かすメディア」になるよう、
今後もAI活用によるアテンション計測に取り組んでまいります。
もし、OOH広告の「より人に届く表現」や「効果の視える化」にご関心がございましたら、
ぜひお気軽にご相談ください。