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視線だけでは不十分 ? OOH広告が「意識されたか」を問われる時代へ

OOH(交通広告・屋外広告)の価値を測るうえで、「広告が見られたかどうか」は基本かつ本質的な問いです。
しかし今、広告業界で重視されはじめているのは、ただ視線が向いたかではなく、意識が向けられたか
これまで主に使われてきた「visibility rate(視認率)」に加え、より深い関与を示す「attention rate(注目率)」という指標が、OOH広告にも求められつつあります。
本ブログでは、両者の違いを明確にし、これからのOOH広告に必要な「評価軸のアップデート」について考察します。

visibility rateとは?──「視線が向いたか」を捉える指標

visibility rateとは、広告が「視界に入り」「一瞬でも見られたか(Eyes-on)」を推計する指標です。
これは通行人が広告の前を通ったうち、実際に視線を向けた人の割合を示します。
イギリスの【Route】やアメリカの【Geopath】では、アイトラッキングの調査データをもとに、媒体ごとの視認率を科学的に算出しています。

ただし、この段階では見えただけ
意識が広告内容に向いているかどうかまでは含まれません。

 

attention rateとは?──「意識が向いたか」を捉える指標

attention rateは、視線が広告に向けられただけでなく、その内容に意識を向け、認識・処理されたかどうかを捉える指標です。

たとえば以下のような行動が含まれます:

  • 視線が数秒間広告に留まった
  • メッセージを読もうとした
  • 記憶や認知に残る処理をした

このように、attention rateは「ただ見る」から「意識を向ける」へと進んだ行動を可視化する指標であり、アイトラッキングやサリエンシーモデルなどを使って推計されます。

 

視線と意識の違いを図で理解する

以下の図は、OOH広告への関与をピラミッド型で表したものです。

ChatGPT Image 2025年5月10日 01このように、visibility rateは「見たかどうか」を測るのに対し、attention rateは「意識したかどうか」を測るという、行動深度の違いがあります。

なぜ今、「attention rate」が重視されているのか?

デジタル広告ではすでに、「インプレッション」だけでは広告効果を語れないというのが常識になりつつあります。
実際にブランドリフトや購買意欲と高い相関を持つのは、「どれだけ広告に意識が向けられたか(attention)」という指標であることが、各種の調査から明らかになってきました。

この流れは、OOH広告にも波及しはじめています。
単に見える場所にあるだけでなく、
見られ、意識されるクリエイティブかどうかを測ることが、OOH広告の真の価値を証明する鍵となるのです。

まとめ:OOH広告の評価も、「見えたか」から「意識されたか」へ

  • visibility rate は「視線が一瞬でも向けられたか」
  • attention rate は「広告に意識が向けられたか」

これからのOOH広告に求められるのは、存在するだけの広告ではなく、心を動かす広告かどうか
その価値を正しく示すためには、視認にとどまらず、「注目」=意識の深さを測る視点が必要です。
attention
指標への理解と活用が、OOH広告の未来をさらに切り拓いていくはずです。

ChatGPT Image 2025年5月10日 02

 

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