1年前に注目を集めた「フェイクOOH」は、リアルのOOH(屋外広告・交通広告)を使用せず、完全にデジタルで制作された広告でした。その新しさは、オンライン動画マーケティングの枠を超え、クリエイティブの可能性を広げる存在として話題になりました。そして今、その「フェイクOOH」「CGI OOH」が進化し、リアルのOOHと連動する「シュールOOH」や「CGI-driven OOH」という新たな形で注目されています。今回は、2024年末にインドで実施された2つの興味深い事例を紹介します。
事例1: Xiaomi India - スマホの耐久性を訴求するOOHキャンペーン
Xiaomi Indiaは、スマートフォン「Redmi Note 14 5Gシリーズ」の耐久性を訴求するために、CGI技術と実写を融合させたユニークなOOHキャンペーンを展開しました。この広告は、デリー、バンガロール、ムンバイなどの主要都市で設置され、大胆な演出が街中やオンライン上で大きな話題を呼びました。
注目ポイント:CGIと実写の融合
- デリーやバンガロールなど、人目を引くロケーションに設置された大型ビルボードからCGIを使ったスマートフォンが飛び出すような演出と、実際にスマートフォンが地面に落ちるライブアクションの組み合わせ
- スマホが車にひかれる様子に驚く視聴者が、壊れることなく耐えるスマホに感嘆する展開
このキャンペーンは、リアルとバーチャルの世界を融合させ、消費者の不安や期待をストーリーで引き込みながら、商品の耐久性への信頼を高めました。
事例2: Johnnie Walker - CGIを活用したOOHキャンペーン
Johnnie Walkerのキャンペーンでは、CGI技術を活用して、俳優プリヤンカ・チョープラが登場する印象的な広告を展開。「#CantStandStill」というテーマのもと、前向きで力強いブランドメッセージを発信しました。
注目ポイント:革新的な広告設置
- ムンバイの交通量が多いエリアに設置された目を引く広告インスタレーション
- CGIを駆使して動きのあるビジュアルを作り出し、通行人に印象的な体験を提供
- プリヤンカ・チョープラという著名人の起用により、ブランドの信頼性と影響力を向上
このインスタレーションは、OOH広告の枠を超えた「体験」として機能し、広範囲のオーディエンスにリーチしました。ストーリーテリングとテクノロジーを組み合わせたこの試みは、これからのOOH広告の可能性を広げる事例と言えるでしょう。
OOHの進化と可能性
これらの事例は、CGI技術とリアルなOOHを組み合わせることで、オンラインとオフラインをシームレスに繋ぐ新たな広告手法を示しています。リアルな場での接触とデジタル空間での拡散を両立させ、消費者に強い印象を与えることが可能です。
日本市場においても、このような「シュールOOH」「CGI-driven OOH」を活用すれば、独自性の高いキャンペーンを展開し、ブランド価値を高めることが期待されます。マーケターとして、最新トレンドを取り入れ、未来の広告をデザインしていく準備を始めてみてはいかがでしょうか?