大阪メトロ アドエラは、交通広告の定量的な効果計測に向けた取り組みとして、駅メディアの視認可能者数の計測を、芝浦工業大学とLiDAR技術を活用した研究を開始しました。
LiDARは、もともと航空機のレーダーや気象観測に使用されていましたが、現在は、自動車の障害物や周辺車両の検出、スマートフォンのカメラなどと組み合わせて写真撮影で効果的にピントをぼかすアシストや、VR(仮想現実)・AR(拡張現実)・メタバース(仮想空間)のための技術としても利用されています。
共同研究では、LiDAR(光センサー技術)を用いてプライバシーに配慮しながら、Osaka Metro主要駅の駅メディア(デジタルサイネージ、ポスター、大型シート、階段/エスカレーター集中貼)エリアのデータを取得し、芝浦工業大学工学部情報工学科新熊教授(*)から技術を受けてデータの解析を行い、OOHオーディエンスの国際標準指標の推計モデルを生成できるよう研究します。
・サーキュレーション(Circulation):OOHフレームに近接するオーディエンス・カウント
・OTS (Opportunity to See):定義された視認エリア内に一定期間存在する個人の合計
・OTC (Opportunity to Contact):広告が表示されている間、定義された視認エリア内で広告フレームの方向を向いている個人の合計
・VAC(Visibility Adjusted Contacts):広告が表示されている間、定義された視認エリア内で広告フレームの方向を向いており、その広告を見たと想定できる確率をかけて調整した個人の合計
世界広告主連盟によるクロスメディア計測基準では視認をベースにしたVACレベルをガイドとしているため、日本国内の交通広告でも今後は国際標準指標が要求されると思われます。
サーキュレーションの測定方法には、センサスデータ、トランザクションデータ、基地局、GPS、WiFi、カメラ、ビーコン、センサー、手動カウント、パッシブ回答 等、多数ありますが、OTC (Opportunity to Contact)からVAC(Visibility Adjusted Contacts)の測定は、カメラ、センサー、アイトラッキング などテクノロジーの活用が重要となりそうです。
(光センサー技術のLiDARで取得したデータのイメージ)