2025年9月25日、英国マンチェスターで開催された The Future of Media において、広告効果研究の第一人者Peter Field氏、アテンション計測のLumen社、そして英国ニュース業界団体Newsworksが共同で新調査を発表しました。
High-attention media is more profitable, finds Peter Field, Lumen and Newsworks
本研究は、広告主やメディアプランナーに「広告費の投資配分は高アテンション媒体に向かっているのか、それとも低アテンション媒体に偏っているのか」という問題提起になっています。
■調査結果の概要
本調査では、媒体を「高アテンション」と「低アテンション」に二分して比較を行っています。
Peter Field氏はこれを「astonishing absurdity(驚くべき不条理)」と表現しています。
媒体区分(Lumen社の定義)
特に、ニュースブランドのサイト内広告は非ニュースサイトに比べ +40%高いアテンション を獲得すると報告されています。
■業界の反応と論点
賛同の声
批判・再考を促す視点
■日本市場への示唆
(1) 「量」から「質」へ
従来の「インプレッション中心のKPI」から、「アテンション獲得効率」へと評価軸を移す必要があります。
(2) OOHの再定義
英国調査ではOOHが「低アテンション」に分類されましたが、駅サイネージや大型ビジョンなど、日本特有のOOH環境は、視距離・滞在時間・視認角度といった条件によって「高アテンション」に近づく可能性があります。
(3) クリエイティブの重要性
「媒体の持つアテンション特性 × クリエイティブの訴求力」の組み合わせが、最終的な広告効果を生み出します。媒体だけでは語れない構造です。
(4) 新KPIの導入
「視認(Visibility)→アテンション→記憶→行動」という階段を明示化し、“attentive seconds per cost” のような横断的指標で評価できる仕組みが、日本の業界においても急務です。
■大阪メトロアドエラのアテンション調査事例
大阪メトロアドエラでは、駅構内や車内デジタルサイネージにおけるアテンション計測を、アイトラッキングおよびサリエンシーマップ解析を用いて実施しています。