「The Drum Awards」アウト・オブ・ホームのノミネート作品から今回は、「Best Interconnected OOH Formats」「Extra Sensory/Interactive」の3キャンペーンを紹介します。
ストリーミング映像を配信する月額利用料モデルのスマートTV「Sky Glass」は、英国の大規模キャンペーンで様々なフォーマットのOOHを活用しました。屋外、鉄道、地下鉄、リテールのOOHでキャンペーンを展開、アナログOOHとデジタルOOHの大小7,000フレームを用いて英国内で86%のリーチを獲得し、フリークエンシーは22回となったそうです。
英国はロケーションに因らずアナログOOHもデジタルOOHもメデイアカレンシーのリーチ&フリークエンシーを測定できるため、OOHを活用した大規模キャンペーンの計画が容易みたいです。
ジュース ブランドの「Cawston Press」は、ロンドンおよび主要郊外都市で、100%本物の果汁を使用したスパークリング飲料のキャンペーンを夏季に実施しました。濃縮物ではない100%本物の果汁を訴求するため新しいキャッチフレーズ "No Jiggery Pokery"(ごまかしのない)を使用した「Life's Best Pressed」キャンペーンは、ブランド過去最大の50 万ポンド(約8千万円)の投資で英国成人570 万人にリーチ、フリークエンシーは17 回となったようです。
キャンペーンのメインターゲットは都心を移動中の富裕層で、郊外の自宅に帰ってからスーパーマーケットで購入を促すというもの。そのためOOHの様々なフォーマットを活用し、ターゲットに対する認知度は+146%、パーセプションは+63%、検討は+103%、行動喚起は+93%も上昇したそうです。このキャンペーンは、広報PR、OOH、サンプリング、SNSを駆使し、例えば、ロンドンのWaterloo駅では、長さ40mのデジタルサイネージ(JCDecauxのMotion@Waterloo)の下でサンプリングを行ったそうです。
英国を代表するココアバター・スキンケアブランド「Palmer's」は、アフリカのカメルーンに新しい森“Palmer's Forest”を作ると公言し、24,000本の木を植え、150年の間に約12,000トンのCO2を削減する目標をたてています。森林再生に取り組むブランディングを低予算で実行する方法として、ロンドン交通局の通勤用駅を2週間、Palmer's Greenのロゴとカラーで装飾、駅に植物と緑を加えることで、森林再生による環境への影響を可視化したそうです。アロマディフューザーや、通勤客が自宅に持ち帰って種を植えられるように種まきシートを配布するなど工夫を凝らした結果、“Palmer's Forest”キャンペーンの認知度が向上し、植樹の申し込みが15%増加。SNSにおけるキャンペーンの好感度は99%、YouTubeのキャンペーン動画は33万以上の視聴、TwitterやInstagramでPalmersのフォロワー以外の視聴者に多くリーチしたみたいです。
日本でもアナログOOH・デジタルOOHともにオーディエンス・メジャメントのグローバル標準の共通指標化を推進する動きも出てきています。