電車に広告を出したいが費用が分からずその効果も把握できない、と掲出をためらっていませんか。多くの人に見てもらえることは容易に判断できるがイマイチ掲出までには至らない、という企業や個人も多いでしょう。
本記事ではそのような企業や個人に向けて、電車広告の費用とその効果について解説します。
電車広告とは電車車両の車内及び車体に掲載する広告媒体の総称です。電車車両の車内に掲出できる広告媒体にはステッカーやポスター、デジタルサイネージビジョン広告などがあります。そして電車車両の車体に掲出できる広告媒体にはシートタイプの広告があります。
いずれも乗客の目に留まりやすい位置に掲出され、電車を利用するさまざまなターゲット層へ情報を広く届けられるため高い広告効果が期待できます。
電車利用者は沿線生活者も多く、路線を絞り込むことにより効果の高い地域密着情報をお届けできるメリットもあります。
以下では電車広告の種類と特徴について解説します。
ドア横ステッカーは車内側の乗降ドア横に掲載されるステッカータイプの広告です。乗客が集中するドア付近に目線の高さで掲載されるため、自然と目に留まりやすい特徴があります。ドアの横部分に掲出されるため、ドアが開いても広告が隠れてしまう心配がありません。
ドアガラスステッカーは車内側の乗降ドアガラス部分に掲載されるタイプの広告です。ドアが開いたタイミングで広告は一時的に隠れてしまいますが、走行中は常に利用客の目線の高さに広告があるため内容をしっかり読んでもらえます。また降車時にはドア付近に人が集中するため、そのタイミングにおいても広告を見てもらえます。
ツインステッカーは車内側の乗降ドア上部、ちょうどガラスの上あたりのスペースに掲載されるタイプの広告です。この部分は縦スペースが狭く細長いステッカー広告となってしまいますが、2枚1組で左右のドアに掲載できるため横に長いスペースを確保できます。そのためドア付近はもちろん、ドアの左右でつり革につかまっている人の目にも留まらせることができます。
ドア横ステッカーは車内側の乗降ドア横に掲載されるステッカータイプの広告です。乗客が集中するドア付近に目線の高さで掲載されるため、自然と目に留まりやすい特徴があります。ドアの横部分に掲出されるため、ドアが開いても広告が隠れてしまう心配がありません。
ドア横ポスターは車内側の乗降ドア横及び連結ドア横に掲載されるポスタータイプの広告です。基本的にはB3サイズの広告を乗降ドア横及び連結ドア横に掲載するため視認性は抜群です。非常に目立ち、かつ目線の高さに広告があるため自然と目に留まらせることができます。掲出位置に対してB3サイズは比較的大きい広告媒体となるため、小さい文字でも読ませやすくなります。つまり、詳細な情報伝達を行いたい場合は非常に適した広告媒体となるのです。
中吊りポスターは車内中央部分の天井から通路に沿って垂直にポスターを吊り下げるタイプの広告です。天井から吊り下げるため乗客によって遮られることがなく、満員電車においてもしっかりと広告を見てもらえます。広告掲出位置が高く視線を集めやすい特徴がありますが、細かい文字だと見づらくなるため詳細な内容を伝える広告よりは、インパクト重視の広告の方が適していると言えます。
ビジョン広告は車内映像広告のことで、液晶ディスプレイに映し出すタイプの広告です。デジタルを活用することで動画にすることもでき、魅せ方の幅を大きく広げられます。掲載位置は主に乗降ドアの上部や、まど上など上部に限定されますが位置が高くてもデジタルのため視認性は抜群です。また紙媒体を印刷する必要がないため、大幅にコストを抑えられるメリットもあります。
車体広告は唯一、車両の外側に掲出するタイプの広告です。車体の空きスペースを利用してシートタイプの広告を貼る形で掲載します。主に電車がホームに停車している時にホーム側にいる利用者に見てもらえます。車内広告よりも利用者との接触時間は遥かに短いですが、乗車するタイミングやホームにいる大勢の利用客に見てもらえるため、インパクトのある広告にすることにより高い広告効果が期待できます。
以下では電車広告の魅力と効果的な活用法について解説します。
一人でも多くの人に広告を見てもらいたい場合は視認性抜群の中吊り広告がおすすめです。中吊り広告は車体中央の天井部分より通路に沿って垂直に吊り下げるタイプの広告のため満員電車でも乗客に遮られることがありません。そして、すぐ上を向けば目に入る位置にあるため視認性も抜群です。ここに掲載する広告は視覚的に訴えかけるインパクトのある広告が適していると言えます。あまり小さい文字だと読みづらく、長文の場合は最後まで読んでもらえない可能性が高くなります。
しっかりと内容を読んでもらいたい場合は、広告掲出位置として人気の高いドア横ポスターがおすすめです。位置的にも人の集まりやすいドア付近でなおかつ目線の高さに掲載されるため、比較的小さい文字でもしっかりと読んでもらえる可能性が高くなります。乗客との距離も近く、基本B3サイズと大きめの広告のため、伝えたい内容がしっかり伝わるメリットがあります。
ステッカー広告はポスター広告に比べて基本的に小さくなりがちです。ですが、小さいからこそ逆に存在感が出る媒体とも言えます。小さい広告では逆に「何が書いてあるんだろう」と、人間の習性として注意深く見る効果が期待できます。こういった特性を利用し、細かい内容の広告にせずインパクト重視の広告にすることにより印象に残らせる効果が期待できます。つまり、ターゲットにリーチしやすい広告媒体であると言えるのです。
注目度を高めた広告を作りたい場合は、動画広告も掲出できる車内ビジョン広告がおすすめです。例えば、アメリカの調査会社Forrester ResearchのJames L. McQuivey博士が2014年に発表した研究結果では、1分間の動画から伝わる情報量は文字に換算すると180万語とされており、数分の動画広告で非常に多くの情報を伝えられるのです。また動画広告として利用しなくても、デジタルサイネージとして静止画を発信すれば、光を利用した魅せる広告を発信できます。
車両ジャックはいわゆる1車両まるまる自社の広告一色で空間を支配してしまう広告プランです。ドア横ポスターや中吊り広告、ビジョン広告に至るまであらゆる広告媒体を自社一色にできます。1車両貸切広告となり、ターゲットには非常に効果の高いアピール方法となります。
以下では電車広告の費用の目安について表でまとめました。
電車広告の費用の目安 |
|||
広告媒体 |
広告料金 |
掲出期間 |
納品数 |
中吊りポスター |
240,000円~3,400,000円 |
80枚~1,240枚 |
7日 |
ドア横4面セット・ドア横ツイン |
2,800,000円~5,600,000円 |
2,820枚~6,160枚 |
7日 |
ドア横ポスター |
1,400,000円~4,600,000円 |
900枚~1,440枚 |
7日~28日 |
まど上ポスター |
100,000円~1,650,000円 |
100枚~1,150枚 |
1か月 |
まど上ポスター(コーナー部) |
1,300,000円~1,850,000円 |
1,020枚 |
1か月 |
ドア上ポスター |
70,000円~3,600,000円 |
120枚~1,170枚 |
1か月 |
ドア横上部ポスター・連結上部ポスター・タイアップポスター |
190,000円~800,000円 |
840枚~1,170枚 590組~840組 |
1か月 |
まどステッカー |
130,000円~1,750,000円 |
100枚~1,360枚 |
1か月 |
ドアガラスステッカー |
900,000円~1,750,000円 |
350枚~1,360枚 |
1か月 |
ツインステッカー |
1,850,000円~2,150,000円 |
1020組~1290組 |
1か月 |
戸袋ステッカー・連結部ステッカー |
950,000円(組)1,050,000円(枚) |
990枚 1020組 |
1か月 |
御堂筋プレミアムライナー |
3,300,000円(A) 2,500,000円(B) |
794枚~960枚(A) 344枚~510枚(B) |
14日 |
御堂筋レディースライナー |
1,000,000円(A) 800,000円(B) |
270枚~320枚(A) 110枚~160枚 |
14日 |
車体ステッカー |
1,600,000円 13,000,000円 |
80枚 |
1ヶ月 1年 |
以下では電車広告費用を節約する方法について解説します。
電車広告費用を少しでも節約したい場合はステッカー広告に限定してしまうのもおすすめです。ステッカー広告はポスター広告より小さいため、製作コストや掲出コストを抑えられる可能性があります。例えば、同じドア横広告でもステッカーとポスターでは以下のように費用と掲出期間に違いが出てきます。
大阪メトロ ドア横のステッカー広告とポスター広告の比較(税抜) |
|||
種類 |
費用 |
掲出期間 |
納品枚数 |
ドア横(戸袋)ステッカー広告 |
1,050,000円 |
1ヶ月 |
1040枚 |
ドア横ポスター広告 |
1,700,000円 |
7日 |
1500枚 |
上記の表のように同じ位置に掲載される広告でもステッカー広告とポスター広告では、費用と掲出期間にこれだけの違いがあるのです。
費用を抑えながらもかつ効果的な広告を掲出したい場合は、ビジョン広告を活用するのもおすすめです。ビジョン広告はデジタルデータのため、ポスターやステッカーを印刷するコストを抑えられます。加えて静止画よりも遥かに情報伝達力が高い「動画」を利用できます。例えば大阪メトロのトレビジョンと上記のドア横のステッカーとポスターを比較した表が以下となります。
大阪メトロ トレビジョン及びドア横のステッカー広告とポスター広告の比較(税抜) |
|||
種類 |
費用 |
掲出期間 |
納品枚数 |
トレビジョン |
800,000円~ 980,000円 |
7日 |
14回/1往復 及び 16枠/4分 |
ドア横ステッカー広告 |
1,050,000円 |
1ヶ月 |
1040枚 |
ドア横ポスター広告 |
1,700,000円 |
7日 |
1500枚 |
上記のように掲出期間こそ、ドア横ステッカー広告より短いですが費用自体はステッカー広告やポスター広告よりさらに抑えられています。
自社の広告戦略と目的にあったプランをよく検討することが重要です。例えば自社の商品やサービスを消費者によく知ってもらいたいのであれば、詳細な説明を行うのに適しているドア横ポスター広告を利用したり、情報伝達力が高い動画広告を利用したりするのが最適と言えます。一方、自社のブランド認知だけが目的であれば、詳細な説明はいらずインパクト重視のステッカー広告で無駄な費用を抑えるなどした方がよいと言えます。このように自社の広告戦略と目的にあったプランをよく検討することが費用の節約につながります。
電車広告はたまにキャンペーンが実施されることがあります。こういったタイミングを狙うのも費用節約に効果があります。例えば、大阪メトロでは2021年10月〜2022年2月にかけて実質50%OFFで掲出できる駅広告特別キャンペーンを行っています。また直近では、京阪電車が2025年特別企画と題して広告割引キャンペーンを行っています。こういったキャンペーンを狙うのもおすすめです。
以下では電車広告によって実際に成功した事例を紹介します。
一風堂では初めての広島進出ということで、多くの人に店舗を認知してもらうべく電車の車体広告を利用して広告活動をおこないました。1年間かけて車体広告プロモーション活動を行った結果、広島県民の方々に広く店舗を浸透させることに成功しました。これは反復訴求効果によってターゲットへのリーチに成功した事例と言えます。
参考:交通広告ナビ 一風堂
ラッシュジャパン合同会社は自社ブランド「LUSH(ラッシュ)」を展開する大手コスメブランドです。本社工場の採用強化とブランド認知度向上のため、電車広告を利用し効果を上げることに成功しました。種類は電車内中吊りポスターやドア横ポスターなどを利用し、言葉少なめのインパクト重視の広告を掲出しています。
本記事では電車広告の費用について詳しく解説しました。電車広告にはステッカーやポスター、デジタルなどさまざまな媒体があり、掲出位置もそれぞれ異なります。
種類が多くどの媒体を利用して広告を掲出するか迷うところですが、しっかり自社の広告戦略と目的にあったプランを選択することが成功への近道となります。