デジタル広告の効果を測定する上で、近年「アテンション計測」が大きな注目を集めています。アテンションとは、広告がどれだけ視聴者の注意を引きつけたかを測定する指標で、従来の「インプレッション」や「ビューアビリティ」に代わる新しい効果測定の基準として注目されています。
IAB(Interactive Advertising Bureau/インターネットの広告業界団体)とMRC(Media Rating Council/メディアの調査と評価を行う業界団体)は、2025年3月までに「アテンション計測ガイドライン」を共同で発行する予定です。これにより、デジタル広告の計測手法に大きな変革がもたらされる可能性が高いです。
現時点では、OOH(屋外広告・交通広告)はこのガイドラインの対象外ですが、クロスメディア計測においてはアテンション計測が非常に重要となります。特に、OOH業界では「視認調整係数」を用いたVAC(Visually Adjusted Contact)と呼ばれる取引指標が主要国で使われていますが、OOH広告の効果測定にはアテンション計測が必要と強調されています。
アテンション計測は、視聴者が広告にどれだけ関心を持ち、どれだけの時間を広告に費やしたかを把握することになります。これにより、広告の効果をより深く理解し、最適なメディアプランニングやクリエイティブ戦略を立てることができるようになります。
日本の広告業界、特にOOH業界もこのアテンション計測の動向を注視し、計測方法の研究を進める必要があります。アテンション計測が広告効果測定の新たなスタンダードとなりつつある今、早期にこれに対応することで、より効果的な広告キャンペーンを展開し、業界全体の競争力を高めることができるでしょう。
IABが8月7日に発表した「Attention Measurement Toolkit」はこちら
https://www.iab.com/guidelines/attention-measurement-toolkit/