企業の持続可能性(サステナビリティ)や顧客体験(CX)の向上が強く求められる昨今、インフラである「駅」の役割も単なる移動空間から大きく進化しつつあるのではないでしょうか。今回は、Osaka Metroが2026年度に発表した、AIテクノロジーを活用して社会課題解決とCX向上を両立する最新事例を2つピックアップしてご紹介します。
①接客案内サービスへの「ヒューマノイド駅員」実証実験
2026年8月、Osaka MetroはKDDIおよびAVITAと共同で、生成AI「Gemini」を搭載したヒューマノイドによる接客案内の実証実験を開始しました。梅田駅・谷町九丁目駅において、制服を着たヒューマノイドが多言語で柔軟にコミュニケーションを取り、利用者のスマートフォン(QRコード)へ案内図を直接引き継ぐスマートな仕様です。労働力不足やインバウンド対応という社会課題に対し、単なるサイネージを超えた「温かみのある非言語コミュニケーション」で未来の接客体験を提供する先進事例と言えるかもしれません。
参考サイト:https://subway.osakametro.co.jp/news/news_release/20260828_humanoid_jikken.php
②AI最適化技術を活用した「乗務行路作成システム」の導入
2026年5月末に発表・導入された本システムは、従来手作業で約3ヶ月かかっていたダイヤ改正時の「乗務行路表」作成を、AIによって約2週間に短縮するDX事例です。作成期間の短縮により迅速なダイヤ改正が可能になるだけでなく、育児・介護等の短時間勤務に対応したシミュレーションも容易になり、多様な働き方の推進(EX:従業員体験の向上)を実現しています。見えないバックヤードでのAI活用が、結果として顧客へのサービス向上に繋がる好例と言えそうです。
参考サイト:https://subway.osakametro.co.jp/news/news_release/20260528_ai_joumukouro.php
まとめ:テクノロジーの実装が支える、これからのブランド体験
労働力不足や働き方の多様化といった課題に対し、Osaka Metroは「AIによるバックヤードの効率化」や「ヒューマノイドによる接客」という形で具体的なソリューションを社会に提示しています。
インフラ企業が率先して先端テクノロジーを現場に実装する姿勢は、生活者に大きな安心感と先進的なブランドイメージを植え付けるきっかけになるのではないでしょうか。
最新技術をただ導入するだけでなく、それによって「顧客や従業員の体験をどうアップデートするか」という視点が、これからのビジネスにおいて重要になってくるのではないでしょうか。